もう虫歯になりたくないわ。
虫歯予防のポイントを教えるね!
お願いします。
ここでは歯科衛生士の私が患者さんに実際にお話ししている虫歯予防内容をについてお伝えします。
虫歯予防は
とか 〇〇しちゃだめ!
など 〇〇しなければいけない
難しく考える必要はありません。
実はちょっとしたコツを掴むだけでぐっと虫歯になるリスクを下げることができます。
それでは頑張っていきましょう!!
Contents
どうやって虫歯になるの?
そもそもどうやって虫歯になっていくのか。
簡単ですが虫歯の流れを説明します。
虫歯になる3ステップ
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STEP1ミュータンス菌は、食べた糖を分解してプラークを作ります。
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STEP2増えたミュータンス菌は、糖を発酵させて乳酸なとの酸を生成します。
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STEP3ミュータンス菌は高濃度の酸で歯を溶かします。
大まかですが虫歯になるイメージはこんな感じです。
虫歯は外側からではなく内側から歯を溶かしていきます。
ある日いきなり穴が開いた!となるのは
薄くなった表面のエナメル質が崩壊して穴が見えるようになったというのが正しいです。
虫歯になるには4つの要素がある
虫歯になるには4つの要素が必要です。
その4つの要素をまとめた図に『カイスの輪』というものがあります。

カイスという研究者が以下の4つの要素が揃うことで虫歯になるという説を提唱しました。
細菌
糖質
時間
詳しくはこちらにまとめてあるので読んでみてくださいね。

虫歯にならないようにするには・・・
虫歯はカイスの輪の4つの要素がすべて揃わないと虫歯になりません。
つまり虫歯予防はシンプルなのです。
この4つの要素をどれか1つでもクリアすれば虫歯にならないのです。
もちろんカイスの輪の4つの要素それぞれにアプローチできるのが理想ですし、方法もあります。
でも
どれか1つでいいなら1つだけ知りたい!
こう思う方もいると思います。
そこで歯科衛生士の私が患者さんに実際にお伝えしている内容をお話しします。
ポイントは虫歯になる要素のうち、どの要素に対してアプローチしていくかです。
これさえしっかり理解しているだけで虫歯になるリスクは下げられます。
カイスの輪の4つの要素のどれにアプローチしていくのか
では実際に虫歯予防をしていくにあたって
細菌
糖質
時間
この4つのうち、あなたはどれを選びますか?
だって細菌のせいで虫歯になるんだし。
そう、実は・・
虫歯に何度もなってしまう、最大の落とし穴は
ハミガキをしっかりしていたら虫歯にならない
という思い込みです。
しかし残酷なことを言わないといけません・・・。
どれだけ一生懸命自分でハミガキをしても、
100%ミュータンス菌を撲滅することは不可能です。
歯のプロである歯科衛生士の私でも、無理です。
ハブラシと使い
フロスを使い
使う人は歯間ブラシも使って熱心にハミガキをしても
10%くらいはミュータンス菌は残ってるかもしれません。
「90%もミュータンス菌を落とせたら万々歳じゃない?」と思ったあなた。
甘いです。
落とし切れていない10%のミュータンス菌に有り余るほどの糖分を
1日に4~5回以上与え続ければ
10%のミュータンス菌は少数先鋭の手ごわい敵に大変身するのです。
そう、つまり
虫歯予防をするにおいてアプローチしていきたい要素は

です 時間
ミュータンス菌を100%撲滅することが不可能なら
ミュータンス菌が歯を溶かす酸を出すための材料になる糖分の摂取回数・時間を減らす。
これができていない人が、何度も虫歯になるのです。
時間を理解するポイントは『脱灰』と『再石灰化』
だから『脱灰』と『再石灰化』の話もさせてね。
『脱灰』と『再石灰化』この言葉は最近よくCMで言われるようになりました。
歯磨き粉、キシリトールガム、リカルデントガムなどの
虫歯予防グッズのCMでよく使われるので、なんとなく虫歯予防に関係あるんだろうな~という認識の方もいるかもしれませんね。
ここではステファンカーブを用いて『脱灰』と『再石灰化』を説明していきます。
ステファンカーブとは、プラークの中のpHの変化を表したものです。

pH、懐かしい!と思われる方もいるかな。
人の口の中は普段はpH7ぐらいの中性で保たれています。
ですが食べ物、飲み物を摂取すると口の中のpHは酸性に傾いていきます。
pH5.5~5.7まで到達すると歯の表面のエナメル質が溶けはじめます。
これが脱灰です。
ずっと口の中の状態が、酸性のままだと歯はもろくなります。
しかしそこで重要になっていくのが
唾液です。
唾液には口の中のpHを中性に戻す働きがあります。
唾液のおかげゆっくりと溶けていった歯が元に戻っていきます。
この働きが再石灰化です
私たちの口の中は常にこの脱灰と再石灰化を繰り返しているのです。
そう、脱灰と再石灰化とは
ミュータンス菌(脱灰)vs口腔内環境(再石灰化)のデスマッチ
毎日熾烈な戦いを繰り広げているのです。
唾液が再石灰化で歯を元に戻してくれるスピードよりも
ミュータンス菌が酸性にして歯を溶かしていくスピードの方が速いです。
ひと口食べたら一瞬で酸性になると思ってください。
そして10分おきにチョコを一粒ずつ食べているとしたら
10分ごとに1カウントしてください。
という食べ物の量ではなく
という食べた回数の方が
虫歯予防をしていく上でとてもポイントになってきます。
飲食回数が少ないパターンだと・・・
実際に飲食回数が口の中にどんな影響を与えていくのか見ていきましょう。
~食事~
●朝ごはん 7:00
●昼ごはん 12:00
●夕ご飯 19:00
~間食~
●チョコレート
15:00
17:00
これをステファンカーブで当てはめてみます。
するとこうなります。

このパターンだと
脱灰<再石灰化
つまり虫歯になるリスクは低い!
飲食回数が多いパターン
●お茶
●ブラックコーヒー
これ以外の飲み物は、一口飲んだら1カウントするんだよ。
そうなのです。
みなさん虫歯になるもの=チョコみたいに固形物はイメージできているんですが。
飲み物って見落としがちなのです。
そして、500mlのペットボトルを一気飲みですべて飲み終わる人は少ないです。
一口一口、時間を分けて飲みますよね。
つまり、脱灰の時間から再石灰化の時間になった時にまた一口飲むと、また脱灰の時間になってしまうのです。
~食事~
●朝ごはん 7:00
●昼ごはん 12:00
●夕ご飯 19:00
~間食~
●チョコレート
15:00
17:00
~飲み物~
●コーヒー(砂糖入り)
9:00
10:00
●コーラ
14:00
●ジュース
20:00
ステファンカーブにしてみると・・・こうです!

このパターンだと
脱灰>再石灰化
つまり虫歯になるリスクがかなり高い!
回数が多いことの虫歯リスクの高さが分かってきましたか?
だいぶ虫歯予防の知識が増えてきましたよ!
日常生活での虫歯予防とは
虫歯予防に大切な『時間』の要素。
実際の日常生活でどうつなげていくのか。
そこがみなさんが、一番知りたいことですよね。
でも甘いものを食べれないのはもっと嫌なの!
そうなのです。
甘いものは食べていいんです。
ただ・・・
虫歯にならないように上手に甘いものを食べてほしいんです。
虫歯予防はシンプルなのです。
だらだら食べることをやめればいいんです。
簡単じゃん!と思われた方。
一度ニコさんのように、一日食べたものを紙に書いてみてください。
たった一口、一かじりでも1カウントです。
飲み物もカウントしてくださいね。
結構、見落としているものがあると思います。
間食は時間を決めて一気に食べる
間食の時にジュースを一緒に飲む
この3つが習慣化できるように意識して日常を変えていきましょう。
なるべく脱灰の時間を減らして、口腔内環境を常に優勢にする。
これを常日頃心がけていれば、
疲れてそのままダウン・・・
こんな風にイレギュラーなことが起こっても虫歯になりません。
虫歯は1日にしてならず。
日々の生活の積み重ねで起こるのです。
甘いものを食べても、もう虫歯にならないために
いかがでしたか?
虫歯予防はシンプルです。
つまりいつでも、どこでも、だれでも実行することが可能なのです。
この知識を知っているか知らないかでは、かなり違ってくるはずです。
あなたが今後虫歯で悩まされないことを願っています!
虫歯予防のポイントをこれからも記事にしていきますので、またサイトに遊びにきてくださいね!